モーセは８章でも引き続き、イスラエルの若者達に、主に従う大切さと主の戒めを守る大切さを教えています。神様の戒めに従うか従わないかは私達にオプションとして与えられているのではなく、また、選ばれた者だけが従えばよいというものでもなく、１節にある通り、「私が、きょう、あなたに命じるすべての命令をあなたがたは守り行わなければならない。」のです。そうすると、１節後半にはこう約束があります。「そうすれば、あなたがたは生き、その数はふえ、【主】があなたがたの先祖たちに誓われた地を所有することができる。」箴言１３章１５節に「良い思慮は好意を生む。裏切り者の行いは荒い。」とありますが、私達が幸せになる為にも、神様に従う必要性があるのです。
イスラエルの民達は、神様が計画された通りに歩んでいたなら、直ぐにでも約束のカナンの地へ着く事が出来ましたが、彼らの不信仰の為に、４０年間プラスアルファ荒野で生活する事になってしまいました。その４０年の間に、不信仰だった者たちは死に、彼らの子孫が神様によって日々教えられ、神様に従うようにと導かれていったのです。そして、民たちは、カナンの地に入る前の最後の信仰のテストを受けようとしていました。それは、ヨルダン川を渡る事です。多くの人は、変化を苦手だと思うでしょう。しかし、そのような変化の中で過去の神様の助けと導きを思い出すならば、どんな状況下でも、神様に信頼を置く事が出来るでしょう。２節で、モーセはこのように言っています。「あなたの神、【主】が、この四十年の間、荒野であなたを歩ませられた全行程を覚えていなければならない。」イスラエルの民こそ、多くの恵を得、日々の必要や守りが与えられ、奇跡を沢山見、敵からも不思議なわざで守られ、すごい体験を沢山しました。しかし、良い事だけではなく、日々の歩みの中で、民達は苦しみの中も通りました。それは２節の後半にあります。「それは、あなたを苦しめて、あなたを試み、あなたがその命令を守るかどうか、あなたの心のうちにあるものを知るためであった。」とあるように、神様は民達が感謝をする事を忘れないように、また、高慢にならないように、時々、苦しみの中を通る事を許されたのでした。
神様が彼らを教えられた方法
１）日々食べる物として与えられたマナからは、週のうちの６日間、毎日必要な物だけを取って食べる必要性を学ばせられました。これを通して、民達がちゃんと神様に従って、必要を日々神様に頼るかどうかが試されました。３節「それで主は、あなたを苦しめ、飢えさせて、あなたも知らず、あなたの先祖たちも知らなかったマナを食べさせられた。それは、人はパンだけで生きるのではない、人は【主】の口から出るすべてのもので生きる、ということを、あなたにわからせるためであった。」
２）神様は彼らに時々空腹を与えられ、その時に神様により頼んで来るかどうかも試されました。
イエス様もこの地上におられたとき、荒野で空腹を覚え、悪魔から誘惑を受けられましたが、イエス様は自分の肉体的必要を満たすより、神様に義と認められる方を選びました。人はパンだけで生きるのではなく、神様からの霊的満たしが必要なのだと、ここから教えられます。人間には霊と肉があり、食べ物だけでは満たされません。全て満たされる為には、神様からの霊的満たしと肉体的に必要な食べ物両方が必要なのです。また、イスラエルの民達が荒野に居たとき、神様は彼らの服が古くならないようにも奇跡を起こして下さいました。4節「この四十年の間、あなたの着物はすり切れず、あなたの足は、はれなかった。」神様の恵は彼らに十分あった事がここからも分かります。
l 神様は、時々、私達が肉体的に餓え渇く事を許されるかもしれません。それは、それによって私達が霊的満たしを求め、それを得る為です。
現在の私達への勧告 ５節と６節
５節「あなたは、人がその子を訓練するように、あなたの神、【主】があなたを訓練されることを、知らなければならない。」神様は私達が間違った事をしていたら正される事をご存じでしょうか？イスラエルの民達が荒野に長い間いたのも、彼らを正し、訓練する為でした。黙示録３章１９節にこのようにあります。「わたしは、愛する者をしかったり、懲らしめたりする。だから、熱心になって、悔い改めなさい。」へブル書１２章１１節にはこのようにも書かれています。「すべての懲らしめは、そのときは喜ばしいものではなく、かえって悲しく思われるものですが、後になると、これによって訓練された人々に平安な義の実を結ばせます。」神様の私達への懲らしめは、私達を滅ぼす為にあるのではなく、私達が実を結ぶ者となるためにあるのです。だからこそ、６節にあるように歩もうではありませんか。「あなたの神、【主】の命令を守って、その道に歩み、主を恐れなさい。」伝道者の書１２章１３節にもこのようにあります。「結局のところ、もうすべてが聞かされていることだ。神を恐れよ。神の命令を守れ。これが人間にとってすべてである。」
将来的に見た私達への利点 ７節から１０節
私達には将来性のある明るい希望が必要です。モーセも民達に、カナンの地に入ったら沢山食べ物など良い物がある事を伝えました。しかし、カナンの地に入る為には、まず敵に勝たないといけないと言うタスクがありました。その後の生活の事を考えたら、戦った方が将来的に彼らに利点のあることでした。７節から９節このようにあります。「あなたの神、【主】が、あなたを良い地に導き入れようとしておられるからである。そこは、水の流れと泉があり、谷間と山を流れ出た深い淵のある地、小麦、大麦、ぶどう、いちじく、ざくろの地、オリーブ油と蜜の地。そこは、あなたが十分に食物を食べ、何一つ足りないもののない地、その地の石は鉄であり、その山々からは青銅を掘り出すことのできる地である。」
聖い心で神様のみ言葉を読み、求める者は、霊の実を沢山結ぶ事ができるでしょう。霊の実を沢山結ぶと、得た実を周りに配る事が出来るまでになるでしょう。霊の実がみのる事によって、自分自身も満ち足り、周りにも祝福を分け与える事が出来るのです。ピリピ４章１９節にこうあります。「また、私の神は、キリスト・イエスにあるご自身の栄光の富をもって、あなたがたの必要をすべて満たしてくださいます。」また詩篇８４篇１１節にこうあります。「まことに、神なる【主】は太陽です。盾です。【主】は恵みと栄光を授け、正しく歩く者たちに、良いものを拒まれません。」
１０節あるように、この素晴らしい主をほめたたえる事を忘れてはいけません。「あなたが食べて満ち足りたとき、主が賜った良い地について、あなたの神、【主】をほめたたえなければならない。」神様の祝福を受けながら、主に感謝する事を忘れるなら、ローマ書１章２１節にあるようになってしまいます。「それゆえ、彼らは神を知っていながら、その神を神としてあがめず、感謝もせず、かえってその思いはむなしくなり、その無知な心は暗くなりました。」神様は、必要な物だけを与えて下さるのではなく、必要以上に色々と与えて下さいます。それによって、神様の良さがはっきりと表されています。私達も神様からの恵の内に喜びを持って歩むために、日々の恵に感謝しつつ歩んで行こうではありませんか。
ゴールデンテキスト
詩篇３７篇３節
「【主】に信頼して善を行え。地に住み、誠実を養え。」