聖書では「水や川」をコンセプトとして書かれている箇所が沢山あります。今日の箇所でも、水は「主の宮」から湧き出、川となり、海に出る、という表現がされています。預言者エゼキエルの前にいた預言者ヨエルは、ヨエル書3章18節でこのように言っています。「その日、山々には甘いぶどう酒がしたたり、丘々には乳が流れ、ユダのすべての谷川には水が流れ、【主】の宮から泉がわきいで、シティムの渓流を潤す。」エゼキエルの後に出てきたゼカリヤも、ゼカリヤ書14章8節でこのように言っています。「その日には、エルサレムから湧き水が流れ出て、その半分は東の海に、他の半分は西の海に流れ、夏にも冬にも、それは流れる。」詩編46篇4節「川がある。その流れは、いと高き方の聖なる住まい、神の都を喜ばせる。」
今日の箇所を読んで見ると、エゼキエルは天のみ使いにより、新しい宮を見せて頂いたようです。1節では「彼は私を神殿の入口に連れ戻した。見ると、水が神殿の敷居の下から東のほうへと流れ出ていた。神殿が東に向いていたからである。その水は祭壇の南、宮の右側の下から流れていた。」と、エゼキエルは水が神殿の下から流れ出ている事に気付き、驚いたようです。2節にはこうように書いてあります。「ついで、彼は私を北の門から連れ出し、外を回らせ、東向きの外の門に行かせた。見ると、水は右側から流れ出ていた。」彼らは距離を測りながら歩き、1千キュビットごとに水の深さを測りました。最初、水の深さは、踝までしかありませんでしたが、一千キュビットごとに膝丈、腰、そして泳げるほどの深さにまでなっていました。驚いたことに、その川は、他の川から水が合流して大きな川になっていたのではなく、エルサレムの神殿から流れてきた水だけで、そこまでの川になっていたのです。そして水は途切れる事なく、次々に流れ出て来ました。
これは、神様が私たちに、霊的必要、また、霊的祝福を、常に与える事が出来る事を示しています。そして、この川は神様の恵みの力により、私たちを罪から救い、変える事が出来る事も示しています。ゼカリヤ書13章1節「その日、ダビデの家とエルサレムの住民のために、罪と汚れをきよめる一つの泉が開かれる。」黙示録22章1節「御使いはまた、私に水晶のように光るいのちの水の川を見せた。それは神と小羊との御座から出て、」
実をならす木々 6節、7節、12節
6節と7節にはこのように書いてあります。「 彼は私に、「人の子よ。あなたはこれを見たか」と言って、私を川の岸に沿って連れ帰った。私が帰って来て見ると、川の両岸に非常に多くの木があった。」よく木々が川のそばで大きく育っているのを見ると思います。しかし、この聖句に出てくる木々は普通の木ではなく、あらゆる果樹をならせ、実も絶える事がない、と12節に書かれています。「 川のほとり、その両岸には、あらゆる果樹が生長し、その葉も枯れず、実も絶えることがなく、毎月、新しい実をつける。その水が聖所から流れ出ているからである。その実は食物となり、その葉は薬となる。」
これは、人間の肉体に必要な物も全て、何時でも、与える事が出来る事を示しています。そして、今は季節により出来る果樹が異なりますが、それらの木々はあらゆる果樹を実らせ、葉も枯れないとあります。どうしてそのような事が可能になるでしょうか？それは12節にあるように、その水が聖所から流れ出ているからなのです。実がならないと言う事もないし、飢餓もない、そして、それらの葉は薬にもなるとあります。それらの木々により人間は健康を維持出来るのです。黙示録22章2節「 都の大通りの中央を流れていた。川の両岸には、いのちの木があって、十二種の実がなり、毎月、実ができた。また、その木の葉は諸国の民をいやした。」
いやす水 8節から11節
エゼキエルがこの木々の事で感動している時、その天の使いは続けてこのように言っています。8節「 彼は私に言った。「この水は東の地域に流れ、アラバに下り、海に入る。海に注ぎ込むとそこの水は良くなる。」今現在はヨルダン川の水は死海に流れ着いていますが、死海は海よりも塩気が6倍近くもあり、何の生き物も生きる事が出来ません。しかし、その神殿の水が死海に流れ着く時は、死海の水が良くなるとあります。9節と10節にはこのようにあります。「この川が流れて行く所はどこででも、そこに群がるあらゆる生物は生き、非常に多くの魚がいるようになる。この水が入ると、そこの水が良くなるからである。この川が入る所では、すべてのものが生きる。 漁師たちはそのほとりに住みつき、エン・ゲディからエン・エグライムまで網を引く場所となる。そこの魚は大海の魚のように種類も数も非常に多くなる。」イザヤ書44章3節「わたしは潤いのない地に水を注ぎ、かわいた地に豊かな流れを注ぎ、わたしの霊をあなたのすえに、わたしの祝福をあなたの子孫に注ごう。」
詩編92篇13節と14節「 彼らは、【主】の家に植えられ、私たちの神の大庭で栄えます。彼らは年老いてもなお、実を実らせ、みずみずしく、おい茂っていましょう。」
多くの聖書研究者は、これらの水はイエス・キリストの福音を現わしていると言っています。そして、主の宮から流れて来た水によりどんな水も良くなるように、イエス・キリストの福音により、どんな人でも救われる事が出来るのです。
ゴールデンテキスト
黙示録22章17節「御霊も花嫁も言う。「来てください。」これを聞く者は、「来てください」と言いなさい。渇く者は来なさい。いのちの水がほしい者は、それをただで受けなさい。」
BMC日曜学校テキスト〈大人のクラス〉より
翻訳 猪坂 知央