はじめに
福音丸遭難事故より三十年(1999年初版)を記念してこの本を発刊できたことを心から感謝いたします。私が牧師として赴任してから、この事故を通してこの教会堂が存在したこと、またこの岩国にキリストの愛が力強く証しされたことを知りました。何とかしてこのことを語り続けたいと思い私自身、良く知ろうとしましたがそのことを知る資料として残されていたものは、実に古く汚れた「瀬戸の海は冷たけれど」(「百万人の福音」に掲載されていた事故の記事)のコピーのみでした。これは何とかしなければと思わされつつも、何もできない私がありました。しかし、浅林兄弟の愛蔵書の中にその原本があることが分かり、この三十周年を記念して発刊することへと導かれました。 今回の製本にあたって、そのほとんどは昭和四三年三月に発行された「百万人の福音」に掲載された「瀬戸の海は冷たけれど」が基盤となっています。そこに、今回「そして三十年の年月の後」という題で、その後のボーマン宣教師、藤岡姉妹の歩みなどを新たに寄せられた写真や資料、そして証しなどとともに加えて編集してみました。 この証しの発刊により、より多くの方々に聖書に書かれてあるとおりに「神を愛する人々、すなわち、神のご計画に従って召された人々のためには、神がすべてのことを働かせて益としてくださることを…」(ローマ人への手紙八章二八節)知り、確信していただきたいと思うのです。「最悪のシナリオでも神は最善のシナリオに変えることができる」。 あなたはもうこのことを体験し、知っておられますか?神は真実です。今も生きておられます。そのことをこの現在のヨブ記ともいえるこの書を通して知り、確信していただきたいと思います。それゆえ、題も「瀬戸の海は冷たけれど」から「救霊の愛は消えず」としました。 この編集・発刊に際し、快く文章利用の許可をしてくださった「百万人の福音」編集部の皆様のご親切にこの場を借りて感謝申し上げたいと思います。また、この編集に際し、藤岡姉妹、ボーマン先生がこのために証しを書いてくださったことを感謝いたします。特に藤岡姉妹は、多忙の中、証しに加えその当時の新聞の記事や写真を提供してくださいました。本当に感謝します。 最後に先輩が残してくださった熱き救霊の愛を私は忘れず、受け継いでいかなければならないと思っています。この書を読まれて、同じ思いをもたれたなら、あなたはあなたの置かれている場で、教会で、更なる献身を決意していただきたいと思います。今の日本にあなたの存在が必要だからです。
NO1:『百万人の福音』 | NO2:瀬戸の海は冷たけれど |
NO3: 阿多田島伝道のきっかけ | NO4:いよいよ出航 |
NO5:ボーマン氏の召命 | |
NO7:東洋紡の藤岡さん | |
NO9:冬の海に九時間 | NO10:藤岡夫人の祈り |
NO11:病院で見た幻 | NO12:告別式の日 |
NO13:エピローグ | NO14:藤岡姉妹の証し |
NO15:ボーマン師の証し | NO16:補足(2021年11月召天) |
この度、ドン・ボーマン師の自伝「神のアメイジング・グレイス」の日本語版を出版しました。国内に限り1冊送料・税込み500円でお届けします。1冊からでもお気軽にご連絡ください。